FLAGSHIP PROJECTS

研究プロジェクト名

ファインバブル基盤技術開発に関する研究

研究代表者

応用化学科 教授 寺坂 宏一

研究分担者

機械工学科 教授 杉浦 壽彦
応用化学科 専任講師 藤岡 沙都子/機械工学科 専任講師 安藤 景太

ファインバブルの製造/応用技術は日本発の革新的技術であり、その利用範囲も洗浄分野、医療分野、農業分野、インフラ分野等非常に広範にわたる技術である。ファインバブル技術関連産業は、供給側では、製造装置や計測器メーカなどが関係し、需要側でも、土木、医療、薬品、化粧品、食品、農林水産関連まで多くの産業が関係する分野横断的特徴を有している。一方、産業発展の背景となるファインバブル技術開発の現状をみると、企業、大学、諸研究機関で各々独自に研究開発が行われており、基盤技術データの不足、それらの共有化・規格化、学術的検証の遅れなどが、産業化の進展を阻害している。そこで、ファインバブルの基礎/基盤技術に関する研究開発を総合的に実施し、ファインバブルの産業創生ひいては成長分野でのイノベーションの促進が期待されている。慶應義塾大学ではファインバブルに関する産業創生や発展を総合的に支援する基盤研究課題に取り組む。
各種ファインバブル発生装置

研究プロジェクト名

次世代光学素子のためのナノスケール機械加工技術の開発

研究代表者

システムデザイン工学科 准教授 柿沼 康弘

研究分担者

電子工学科 准教授 田邊 孝純

本プロジェクトでは、超精密加工メーカと連携して、光学素子の超精密加工技術に関する研究に取り組む。将来の光技術のキーパーツである微小光共振器は、光速で移動する光を一定時間、一定の場所に閉じ込めることができる素子である。高性能な微小光共振器を実現できる材料として単結晶蛍石(CaF2)が注目されているが、結晶異方性により化学的除去プロセスであるMEMS技術の利用が難しい。そのため、機械的除去プロセスである超精密加工に期待が寄せられている。そこで、本研究プロジェクトでは、CaF2のナノスケール切削特性を明らかにし、高性能なCaF2微小光共振器を開発することを目指す。
KIF研究紹介動画 柿沼康博
KIF研究紹介動画
「光を閉じ込める機能を持つ微小光共振器の製造プロセスに関する研究」
システムデザイン工学科 准教授 柿沼 康弘
Ultra-precision aspheric machine tool (TOSHIBA MACHINE)

研究プロジェクト名

ライフサイエンス研究に役立つマイクロ熱流体デバイスの開発

研究代表者

システムデザイン工学科 准教授 須藤 亮

研究分担者

システムデザイン工学科 准教授 田口 良広

本プロジェクトでは、生体工学・BioMEMSの立場から開発してきた三次元臓器再生のためのマイクロ流体デバイスに、熱工学・OpticalMEMSに基づく検出系を融合させることで、ライフサイエンス研究に役立つマイクロ熱流体デバイスの開発に取り組んでいる。特に、組織再生のプロセスをモニタリングするだけでなく、再生した多細胞組織の機能を非接触で評価することを可能とする高機能化デバイスの開発に取り組む。さらに、産業と連携することによって、マイクロポンプやハイスループット化の技術をマイクロ熱流体デバイスに利用することで、基盤研究の産業化を目指す。

研究プロジェクト名

慶應義塾スマートネットワーク研究センター

研究代表者

情報工学科 教授 山中 直明

研究分担者

システムデザイン工学科 教授 西 宏章

今後の、持続可能な日本社会を考える上で最重要となるエネルギー問題に対して、ICT技術を応用したエネルギー制御・ネットワーク技術に関する次世代のネットワークプラットフォーム研究の慶應義塾大学の連携拠点形成を目指す。具体的には、慶應義塾の複数の情報通信ネットワーク・エネルギー関連の研究を連携し、複数の企業がコンソーシアムとして参画する研究センターを作る。本研究センターでは、次世代のスマートネットワークの制御技術及びアルゴリズムの研究開発を行う。早期から社会及び企業のニーズを意識して、連携結果は、研究に限定されず、大学での研究成果を実社会に対してスピード感をもって提供していくことを目的とする。
KIF研究紹介動画 山中直明
KIF研究紹介動画
「次世代のスマートネットワークの提案と連携拠点形成」
情報工学科 教授 山中 直明
新しいM2MプラットフォームによるEVNO(Energy virtual network operator)実験システム

研究プロジェクト名

マルチタレット型複合加工機(ターニング・ミーリング)による
複雑形状の簡易・確実・高精度な知的加工システムの研究開発

研究代表者

システムデザイン工学科 教授 青山 英樹

研究分担者

システムデザイン工学科 准教授 柿沼 康弘

【研究開発の内容】
マルチタレット型複合加工機により複雑形状を簡易な操作で確実に高精度に加工するための知的加工システムの研究開発を実施する。同システムは、(a)プロセスプランニング・NCプログラム生成システム、(b)切削工具干渉チェック・干渉回避システム、(c)高精度・高速加工のための知能化システムより構築される。
【研究開発の目標】
平成28年度までに上記(a)~(c)の要素技術を開発し、平成30年度までにプロトタイプの製作とフィージビリティスタディを実施する。
【産学連携と特徴】
本事業は、慶應義塾大学、名古屋大学、東京工業大学、中村留精密工業(株)、(株)ニコン、(株)ピーマック・ジャパンの産学連携により実施する。
マルチタレット複合加工機

研究プロジェクト名

高効率ガソリンエンジンのためのスーパーリーンバーン研究

研究代表者

システムデザイン工学科 教授 飯田 訓正

研究分担者

機械工学科 教授 植田 利久
機械工学科 准教授 横森 剛/システムデザイン工学科 専任講師 西 美奈

本プロジェクトでは、二酸化炭素の削減要求への対応や自動車産業の競争力向上に貢献するために、現行では最大39%程度であるガソリンエンジンの熱効率を50%にまで向上させる革新的燃焼技術の創出と検証を行うことを目的としている。研究対象としては、熱効率の飛躍的な向上が期待されている過給リーンバーンエンジン実現のための燃焼限界の拡大とノッキング回避に関わる燃焼技術、および熱効率低下の主要因である冷却損失低減のための技術開発について重点的に取り組む。また、燃焼現象の詳細メカニズムの解明に加えてモデル構築を行うことで、開発に際しての効率向上やコスト削減等の観点からも自動車産業の競争力強化に貢献することを目指す。
エンジン試験設備(小野測器TC内慶應義塾大学SIPエンジンラボラトリー)

研究プロジェクト名

誘導結合を用いたチップ間無線通信による
世界最高性能コンピュータの創出

研究代表者

電子工学科 教授 黒田 忠広

研究分担者

情報工学科 教授 天野 英晴

本プロジェクトは、慶應義塾で発明され開発された誘導結合チップ間通信技術 ThruChip Interface(TCI)を用いて、スーパーコンピュータランキング「Top500」上位に入る世界最高レベルの演算性能を備えかつ省エネルギー性能ランキング「Green500」の第1位となる世界最高効率のコンピュータを実現して、産業の発展に寄与するとともに、科学技術の進歩に資することを目的とする。企業と連携することでTCIの実用普及を促進し、TCIを備え10倍以上高速な転送速度を実現するDRAMチップを研究開発する。さらに、複数の研究機関との研究連携を活かして様々な分野での最先端技術を取り入れ、複合型産学連携の推進を目指す。
誘導結合チップ間通信技術
ThruChip Interface(TCI)

研究プロジェクト名

可搬式テラヘルツ・ポーラリメータの開発と産業応用展開

研究代表者

物理学科 准教授 渡邉 紳一

研究分担者

物理学科 教授 佐々田 博之

テラヘルツ偏光センシング技術は、これまでの可視光センシングでは実現できなかったプラスチック内部のひずみ計測などへの産業応用が期待されている。本研究プロジェクトは、研究代表者が発明し特許出願を行った「高速・高精度テラヘルツ偏光計測技術」を活用して、企業と連携しファイバーレーザーをベースとした可搬式小型計測装置を実現することを目標とする。各種応用例の提示、動作原理の数学的検証など様々な開発課題を一つずつ解決し、産業界にとって真に有用なセンシング技術を確立することを目指す。

研究プロジェクト名

実践知能アプリケーション構築フレームワーク
PRINTEPSの開発と社会実践

研究代表者

管理工学科 教授 山口 高平

研究分担者

情報工学科 教授 斎藤 英雄/情報工学科 教授 萩原 将文
電子工学科 准教授 青木 義満/システムデザイン工学科 准教授 高橋 正樹
管理工学科 専任講師(有期) 森田 武史
理工学研究科 特任助教 西村 良太/理工学研究科 研究員 斎藤 俊太

本研究では知識推論、音声対話理解、コンピュータビジョン、センシングなどに関連するソフトウェアモジュールを組み替えるだけで、人と協働して問題解決をはかる人工知能(AI)や知能ロボットを実現するための多様な知能アプリケーションを構築できるプラットフォームPRINTEPS(PRactical INTEligence aPplicationS)を開発する。
PRINTEPSを用いることにより、教室全体の児童の学習状況を把握できるクラスルームAI、客や混雑具合に応じて臨機応変に対応する喫茶店業務を代行する人型ロボット、大規模展示会で参加者の興味に応じてブース立寄り計画を教示できるガイダンスAI、工場内で作業者と協調して製品組立に協力する双腕ロボットなど、様々なサービスAIを開発していく予定である。
①対話して(注文)②作って
③運んで ④また対話して ⑤また運ぶ

研究プロジェクト名

実環境における人間動作認識と環境認識モジュールの構築

研究代表者

情報工学科 教授 斎藤 英雄

研究分担者

情報工学科 教授 萩原将文/電子工学科 准教授 青木 義満
情報工学科 准教授 杉本麻樹/システムデザイン工学科 准教授 高橋 正樹
理工学研究科 研究員 斎藤 俊太

本プロジェクトでは、動的な状況変化に対応可能な高度な知識・知能を持ったロボットを実現するための画像認識技術に関する研究開発を行っている。動的世界では、状況依存性が考慮されながら、人とシステムの相互作用を通して、古い知識が新しい知識に変換・発見される「実践知形成」を実現する必要がある。
この実践知形成の実現のために、動的世界の状況を瞬時に画像からセンシング・認識するための研究として、実環境に分散配置されたカメラやロボットに取り付けられたカメラ等から入力される複数・単数の動画像列から、そこに撮影される様々な物体や人間を検出したり、それらの3次元形状や特徴量をセンシングしたり、さらに名称・性質・カテゴリ・機能等、実践知形成に必要な情報を認識する研究を実施する。
開発中の画像認識モジュールによる
認識結果例

研究プロジェクト名

力触覚技術による医工融合基盤の革新

研究代表者

システムデザイン工学科 教授 大西 公平

実世界ハプティクスは従来のメカトロニクスや産業ロボット技術では実現できない柔らかい動作を可能にするばかりでなく、人間動作を人工実現する新しいシーズ技術である。本プロジェクトは前述のハプティクス技術をまず医工融合基盤の上に展開し、それを基に様々な応用分野に展開しようとする野心的な目的を有している。この夢のある新技術を今後の社会の持続的な発展に結び付けるため、 産官学の連携を進めたいと努力している。

研究プロジェクト名

大容量光通信デバイス用光インタフェース技術に関する研究

研究代表者

電子工学科 教授 津田 裕之

研究分担者

情報工学科 教授 山中 直明

光ネットワークノードにおける波長選択光スイッチやディジタルコヒーレント送受信器において、偏光依存性を低減することが必須であり、偏波ダイバーシティ技術が利用されている。しかしながら、従来の偏波ダイバーシティ装置はバルク部品で構成されるため大型であることが問題であった。本研究では、基板面内で自由にかつ偏光毎に異なる位相差を持たせることが出来るフォトニック結晶位相板を用いて、石英光導波路に組み込んだ集積型偏波ダイバーシティ光インタフェース回路の設計・試作を行い、各種光回路のインタフェースとしての有用性を確認する。

研究プロジェクト名

フォトニクスポリマーがもたらす超高速GI型POFによる
高精細映像伝送と高精細ディスプレイの革新

研究代表者

物理情報工学科 教授 小池 康博

研究分担者

システムデザイン・マネジメント研究科 准教授 当麻 哲哉
情報工学科 教授 山中 直明/応用化学科 教授 鈴木 孝治

2020年実用放送を目指す高精細8K映像は放送業界に留まらず、医療分野にもさまざまな効果が期待されている。本連携プロジェクトでは、内閣府「最先端研究開発支援(FIRST)プログラム」で得られた数々の成果を社会に還元するため、フォトニクス分野におけるポリマーの可能性をそのファンダメンタルズにまで遡って究明し、さらなる新しい機能の発現を目指している。様々な企業群と連携しながら、我々が開発した低雑音性、簡単接続性を有する世界最速GI型プラスチック光ファイバー、そして、従来の液晶では達成できないリアルなカラーを実現する高精細ディスプレイにより、4K/8K時代を先導する“真のリアルカラー8K映像システム”を構築する。

 
ページの先頭へ