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KLLの紹介

KLL所長、理工学部長からのメッセージ

慶應義塾先端科学技術研究センター所長 鈴木 哲也

慶應義塾
先端科学技術研究センター所長
山中 直明

 現在、産業界全体では、「今までと同じ価値のものを安価に製作する」という発想が根底から覆され、AIやロボット等の最新技術の活用を図りながら、今までにない新しい価値を生み出すため、長期的な視野に立った弛まない革新が求められています。急速な国際化に伴い、国際的な分業体制も変化しつつあります。このような環境の下で、企業にとっては、自社のコア技術を基盤として、いわゆる「オープンイノベーション」による他者(他社)技術との融合を、いかに迅速に進めることができるかが重要になっています。従来、大学は「教育」と「研究」を目的とした高等教育機関としての役割が大きく、産業界とは距離がありました。しかし、文部科学省も大学の高度高等教育の出口に社会貢献をあげ、大学の知と技術を社会に役立たせることを目指しています。私立大学、さらに理工系の雄である慶應義塾大学理工学部は研究   成果を積極的に社会還元することを、先駆けて取り入れ、2000年に先端科学技術研究センター(KLL)を立ち上げ産官学連携を推進しています。毎年12月に開催している慶應テクノモール(KEIO TECHNO-MALL)では、今では2,000名を超える方にご来場いただき、特に産業界からの来場割合が非常に高くなっております。KLLでは、慶應テクノモール(KEIO TECHNO-MALL)等の産官学連携のマッチングイベントをきっかけとして年間合計約400件の産官学連携による共同研究・受託研究を行っており、その金額を最近の5年間で150%以上増やしています。

 大学の研究成果の社会還元の方法は、2つあります。一つ目は共同研究・受託研究による技術の開発です。もう一つはスタートアップ(ベンチャー)の立ち上げ等による新産業の創出です。社会の期待を広く分析すると、大学に対しては、基礎研究と革新的な技術開発を期待していることが分かります。このことは、大学が、基礎研究にとどまらず、常に研究成果の産業界での活用例やアプリケーション応用、影響力を考えながら社会に新たな切り口を供給し続ける責務があるとも考えられます。

 「産官学連携」という言葉を改めて確認すると、「産(産業界)はニーズや目的、そして資金を提供する。官(政府等)はビジョンをもって日本の進むべき方向を示唆し、イノベーションのための長期的な政策と資金投資を行う。学(大学等)は、知と技術そして何よりも優れた人材を社会に提供する。」といったそれぞれの役割があると考えられます。この三者が結合すると今までになかった、「革新」が生まれます。

 さて、地図を思い浮かべてください。理工学部は神奈川県横浜市に位置し、隣接する川崎市や、東京都大田区は目と鼻の先です。このエリアは多数の研究者・技術者が集まるエリアであり、大企業の研究所だけではなく、中小企業も数多くあります。理工学部は、その研究開発地帯の中心に位置しており、まさに大学と企業の研究・開発部門が一体となってオープンイノベーションを実現するうえで最適な立地にあります。

 KLLでは、矢上キャンパスと新川崎にあるK2タウンキャンパスに研究プロジェクト用のスペースを有し、先端的な研究プロジェクトに、有料で貸し出しています。現在、矢上キャンパスでは、ダイヤモンド電極、スーパーリーンバーン研究、PRINTEPS、スピントロニクス、スマートネットワーク等のプロジェクト、K2タウンキャンパスでは民間企業や地域自治体と共同で触覚通信、光ネットワーク、フォトニクスポリマー、TCAD開発、スマートモビリティ、ナノテク次世代薄膜等の研究プロジェクトが実施されています。 私は、大学卒業後、民間企業の研究所で20年以上、研究開発に従事した経験があります。そのため、企業の優れている点と大学の優れている点の双方を多く実感しております。また、企業の方が大学に期待する部分、逆に大学が企業の期待に応えられる部分も痛感しています。新事業を模索している方、新製品の開発等への支援を必要とされる方々、是非お気軽にKLLまでお問い合わせください。

慶應義塾大学理工学部長/大学院理工学研究科委員長 伊藤 公平

慶應義塾大学理工学部長/
大学院理工学研究科委員長
伊藤 公平

 今日の科学技術は、まさに多様化の時代にあると言えます。慶應義塾先端科学技術研究センター(KLL)は、大学と産業界ならびに官界とのコミュニケーションを密にして、従来の学問分野の垣根を超えた研究環境を提供することにより、産学官連携を推進し、新しい科学技術の創生とこれを実現する人材の育成を積極的に行うことを目的として2000年に設立されました。

 KLLでは、毎年12月に開催している慶應科学技術展(KEIO TECHNO-MALL)などを通して理工学部・理工学研究科における研究成果を広く社会に発信してまいりました。さらに大学と産業界や公的機関との間のリエゾン機能を活用し、特許・知的財産コンサルティングについて本学研究連携推進本部知的資産部門と協力しながら、社会貢献を果たしてまいります。また、KLLは理工学部・理工学研究科の教員の研究活動支援ばかりでなく、大学院生の研究支援活動を通して若手人材育成にも貢献し、大学院生と社会との接点となる環境を提供しています。

 2014年には、KLLの産官学連携活動をさらに促進するため、慶應義塾イノベーションファウンダリー(KIF)をKLLの下に設置いたしました。KIFは「革新的産学官連携研究の推進拠点であり、複数の産学官の知を結集させる仕組み」であります。これまでの活動に加えて、産業界ならびに官界との密接な連携のもとに、独創的で有望な技術の研究開発を行い、この成果を再び産業界に還元する基盤を整備してまいります。

 今後とも皆様の温かいご支援とご協力をお願い申し上げます。

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